モスコミュール
ご存知"モスクワのラバ"、"ロシアの頑固者"カクテル。1946年頃の誕生説が有力。当店では長崎県産高級生姜を50度のウォッカ浸漬し、生姜のフレーバーやエッセンスを移しとったものをベースとして使用しています。冷やした銅製のマグカップにこの自家製のジンジャーウォッカを約45ml、ジンジャーエール(ジンジャービアーではなく)を適量注ぎ、ライムを4分の1個スクイズ。最後に生姜スライスを忍ばせると出来上がりです。ウォッカに生姜を漬けてと申しましたが、どちらかというとぎゅうぎゅうに詰めた生姜の間にウォッカを滑り込ませると申したほうが適切かもしれません。色々と試しましたがウォッカは40度のものより、度数の高い50度の方が生姜の良い香りが出やすいように思います。また、スーパーなどの店頭に並ぶ生姜はほとんど中国産ですが、使用しております長崎さんのものと比べるとやはり違うようです。当然値段は倍以上するのですが、豊かな香りと慈味溢れる本来の生姜のテイストを感じて戴けるでしょう。
What do ginger good for ?
意外とよく耳にする疑問です。実のところ何に効くのでしょう?色々と調べてみたところ、あめ湯として寒い時分に飲まれたり、漢方薬に多く配合されていることから推察されるように、体を温めて血行を良くする作用、つまり"保湿"が最大の特徴のようです。
他に、ショウガの成分であるジンゲロール(ジンゲロン)やショーガオールには、殺菌(抗菌)、鎮痛、抗炎症などのほか、心筋梗塞予防、抗潰瘍など色々な作用があるそうです。
一般的にはショウガといえば薬味としてのイメージが強い食材ですが、Bar Higuchiでは特性モスコミュールを構成する"主役"となっております。寒い季節だけでなく、冷房に当たり過ぎ冷バテしてしまう暑い季節にもよろしいようです。
生薑、生姜、薑、英名:ginger、仏名:gingembre(ジャンジャンブル)
ショウガ科の多年草。熱帯アジア原産で、現在では世界中で栽培されている。
日本へも古く、中国から伝来。
食用、薬用、香辛料として広く用いられているショウガは、塊茎の大きさにより小ショウガ、中ショウガ、大ショウガに分けられるそうで、品種は20種余り。芽ショウガ、葉ショウガ、根ショウガがあり、
「芽ショウガ」は光を遮り、新芽を30cm程度に栽培したもの。
「葉ショウガ」は、根茎の小さいものを葉つきのまま収穫したもの。
「根ショウガ」は、葉ショウガの根が長じたものをいいます。
この他、栽培した年に種ショウガから分かれて肥大してできたものを「新ショウガ」、また、元の種ショウガを「ひねショウガ(土ショウガ)」と呼び、それぞれに適した利用がなされています。
独特の辛みをもたらすのは、ジンゲロン(ジンゲロール)と油状のショーガオール。あの強い香りは、モノテルペン類のゲラニオール、シネオール、ネラールといった普段耳慣れない成分です。
"ハジカミ"とは?
多くの辞典等で生姜について調べてみたところ、"ハジカミ"と同じように記してあるケースがほとんどでしたが、元来は山椒の開裂した実の意と思われ、
ハジカミ(椒、薑)・・・
『クレノハジカミ(呉椒)』のようにサンショウの名であったが、味が辛いところから『ハシアカミ(端赤)』のようにショウガもさすようになった。
ショウガ(生薑、生姜)・・・
ショウ(生)は乾かした薑(はじかみ)に対する語。ガは「薑」「姜」の呉音カウの約か〈大言海〉
と、上記のように元々の言われは微妙に違っていたようです。
参考文献「日本語現代辞典」小学館
ウコンとショウガの外見的相似
Bar Higuchiの店内には、モスコミュール専用のジンジャーウォッカが棚にギッシリ並んでいます。実は、それでも置ききれずに、自宅にもかなり沢山保存中。そんなショウガぎっしりの大瓶をご覧になって、「こんなにたくさんのショウガは、生まれて初めて見た!」、「ここまで詰めないよね、フツー」とか、「何これ?豚足?」、「唐揚げ?」、「う、グロテスク!」等々、お客様のご感想はいろいろです。
そんな中で、沖縄からおみえになったお客様の第一声は共通しています。そう、「ウコン?」と仰るのです!
身近なんですね、ウコンが。沖縄以外で日常、ウコンそのものを見ることは少ない筈ですから、やはり沖縄在住・出身の方々もしくは、ウコンの粉末等ウコン製品を常日頃服用されている方々特有の反応でしょうね。折角(?)なので、『改訂 調理用語辞典(社団法人全国調理師養成施設境界編)』(長い!)で調べてみました。
うこん[鬱金、英名:turmeric]
インドをはじめ熱帯アジアを原産とするショウガ科の多年草。ショウガに似た植物で、地下に肥大した濃黄色の根茎を持つ。この根茎を水洗いして皮をむき、5〜6時間煮た後、十分乾燥させて細かく砕き、これをスパイスとする。麝香(じゃこう)のような芳香とわずかな辛味を持ち、黄色の着色料としてカレー粉、たくあん漬けなどに用いる。黄色の色素はクルクミン。ウコンは薬用植物としても有名で、止血薬になる。
インドをはじめ熱帯アジアを原産とするショウガ科の多年草。ショウガに似た植物で、地下に肥大した濃黄色の根茎を持つ。この根茎を水洗いして皮をむき、5〜6時間煮た後、十分乾燥させて細かく砕き、これをスパイスとする。麝香(じゃこう)のような芳香とわずかな辛味を持ち、黄色の着色料としてカレー粉、たくあん漬けなどに用いる。黄色の色素はクルクミン。ウコンは薬用植物としても有名で、止血薬になる。
こんな意味も!?
『広辞苑』によるとこんな風にも使うそうです。吝嗇(りんしょく)の人をあざけっていう称。
浮世床(2)「食い気も性(しょう)が大の ─ だから」
ちなみに吝嗇とは、「適度にものおしみすること。けち。」
共に『広辞苑』より引用